鏡 1975
A・タルコフスキーの作品は様々な映像の断片がコラージュされたようなものばかりである。この「鏡」もまたそうであり、彼の自伝的要素を持つというが、解るような解らないような……。でもその数々の映像はどれもこれもかっこ良く、戦争の記録フィルムらしきものも出てくる。物語などの存在は忘れてただひたすら映像の中で泳ぐような感覚で、なんとも美しい一本だ。
A・タルコフスキーの作品は様々な映像の断片がコラージュされたようなものばかりである。この「鏡」もまたそうであり、彼の自伝的要素を持つというが、解るような解らないような……。でもその数々の映像はどれもこれもかっこ良く、戦争の記録フィルムらしきものも出てくる。物語などの存在は忘れてただひたすら映像の中で泳ぐような感覚で、なんとも美しい一本だ。
ロッキー山脈の麓に孤立する村ドッグヴィル。ある日この村の近く、ジョージタウンの方向から銃声が響いた。その直後、村人の青年トムは助けを請う美しい女性グレースと出会う。間もなく追っ手のギャングたちが現われるも、すでに彼女を隠し、その場を切り抜けるトム。彼は翌日、村人たちにグレースをかくまうことを提案した。そして、“2週間で彼女が村人全員に気に入られること”を条件に提案が受け入れられる。そうしてグレースは、トムの計画に従って肉体労働を始めることになるのだが…。
見知らぬ研究施設で目を覚ましたヘンリーは、妻エステル(ヘイリー・ベネット)が、大事故によって肉体が激しく損傷してしまった自分に機械でできた腕と脚を取り付け、声帯摘出の準備を進めているのを目にする。だが、手術に取り掛かろうとしたとき、謎の組織を率いる男エイカン(ダニーラ・コズロフスキー)が乱入。すさまじいパワーで施設を破壊した上に、エステルを連れ去ってしまう。ヘンリーは機械のパーツを導入したことで得た超人的身体能力を活用し、愛する妻をエイカンから奪い返そうと立ち上がるが……。
荒野を歩き続けていた男の意識が、やがて錯乱の淵へ堕ちていく悪夢譚、「火星の運河」。殺人事件の現場に残された和鏡の謎を追う、美青年・透と明智小五郎の物語「鏡地獄」。廃墟でひっそりと暮らす、胴体だけの夫とその妻の奇行を、一人の男が屋根裏から監視し記録する「芋虫」。恋焦がれる女優を殺害した運転手の、異常な執着を描く「蟲」。4つの物語は、やがてひとつの大きな流れへと向かっていく。